一度は言ってみたいあのセリフをマジで言ってみた。
目次
第一章「決行(最近なんかおもろいことあったかなー)」
「お前が、この動画を見ている時、…既に俺はいないだろう。
だが、忘れてはいけない。どんな時も、お前の心に俺が生き続けていることを…」
私は後輩のiPhoneに内緒で、上記の内容を自身で喋り動画を撮ってデータフォルダに保存をした。
自分自身でも、「俺ってこんな表情出せるんだ」と思えるほど、全てを悟った顔つきをしていたように思う。
後輩はお手洗いから戻ってきて、「いやー、やっぱり久しぶりに連載しているベルセルクは最高ですね!」とか言っていたが(おそらく便座に座りながらヤングアニマルでも読んでいたのだろう)、その時の私には酷く興味のない話であった。
「いつ彼が気付くのか」と、内心ワクワクしていたが、その期待は「その日」に叶うことはなかった。
後輩は、その日にデータフォルダを見ることもなく、そのまま私と後輩は別れてしまった。
私は、後輩のiPhoneのパスコードを知っている。
いや、正確に言うと、
「私の指紋」で解除できるようにデータ登録されている。
しかし、今回のこの動画がバレた時、このデータは確実に消され、そしてパスコードも変えられるだろう。
バレたら、この様な悪戯が出来なくなる。
そう、これすなわち、悪戯をしようとした時、チャンスというものはたった一回しかないのだ。
しかし、私は天から与えられたこの一回のチャンスを、どうしても上記の動画を撮って彼のデータフォルダに残したかった。
私も、もう30歳になる良い大人だ。
しかし、20歳になった時、心に誓ったことがある。
「10年後も自身の信念を貫いている人間になりたい」と。
「有言実行の時が来た」……ただそれだけの話なだけだ。
そう強く思い、私は動画を撮ったのである。
第二章「現代(もう少しでオチです)」
という出来事があったのが約3か月ほど前である。
「信念」という大層な言葉を使っておいて、恥ずかしながら、私はこの出来事を忘れていた。
そして、今日になって後輩から電話が入った。
電話に出ると開口一番、後輩は言った。
「先輩!良かった!間に合って!
生きてください!!生きてればきっと良いことありますから!」
第三章「本当の想い(くだらねー)」
私にとっての「信念」とは「童心を忘れない」ことである。
「童心」、すなわちそれは「他者を疑わない心、自由に生きる心」だ。
私にとっての「信念」を本当に貫いているのは、勿論、私なんかではなく
後輩だったことに気付かされた。
すみません、明日は真面目に書きます。