すずの実験室ブログ

読者様の暇潰しになれますように!!

続・くじけぬ心を身につける為にもッッ!!

僕は、恥ずかしがり屋です。

 

 

 

 

 

人見知りをします。

 

 

 

 

 

 

ポジティブかネガティブかと言われたら、ネガティブです。

 

 

 

 

 

 

アウトドアかインドアかと言われたらインドアです。

 

 

 

 

 

 

性格が暗いです。

 

 

 

 

 

 

僕は恥ずかしがり屋です。

 

 

 

 

 

 

よく眼が死んでると言われます。

 

 

 

 

 

 

モテません。

 

 

 

 

 

 

僕は恥ずかしがり屋です。

 

 

恥ずかしがり屋なんです、僕は。

 

そんな恥ずかしがり屋な僕にも大学生の時に初めて彼女ができました。

 

ドラゴンクエストエンプーサに似ている彼女初めてのデート……

(エンプーサが分からなければ調べてみてください。1週間壁紙にすると運気が上がると今僕が考えました)

 

水族館と夜景を見に行きたいと言われて、僕は星降る腕輪を装備してピオリムをかけた状態で夜景スポットを探しました。

 

 

 

 

 

「そうか、うちの地元で一番評価の高い夜景スポットは、ここか……!よし、ここにしよう!」

 

 

 

 

「母ちゃん!来週の日曜日に、ちょっと車借りるから!」

 

「あんた!その日はダメや!お母さんスーパーに買い出し行かなあかんから!」

 

 

 

 

 

もう僕には聞こえていませんでした。

 

向こうで母が、おおごえでさけぶをしていましたが、さっと耳をふさいでエンプーサにメールをしました。

 

 

 

 

「水族館と夜景スポット、是非行きましょう!もちろん車は僕が出しますよ!最高の夜景スポットへ連れていきます!約束します!」

 

 

 

 

スーパーハイテンションの状態で送信して、すぐに返信が来ました。

 

 

 

「すごく嬉しい、ありがとう!楽しみにしてるね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うおー!やべー!こいつはやべーぞ!

こりゃ、もしかしたら、もしかしたらだぞ!

夜景で良いムードになって、ムフフな状態になって、上手くいけばエンプーサの性格がセクシーギャルになって、ぱふぱふとかしてもらえるんじゃねーの!!

そしたら「ゆうべはおたのしみでしたね」とか言われて、そのままお姫様抱っこで車を運転して(道路交通法違反です)家まで送ってあげれば、彼女も喜んで俺と彼女の毎日がハッスルダンスじゃねーか!!

 

 

 

僕のテンションは100を振り切り、「早くデートの日来ないかなー」とワクワクして毎日を過ごしました。

 

 

 

人は変われる…、人は何かになれる…、きっかけや環境の変化さえあれば人は変われるんだ。昔の偉人たちは、こうして「時代」というのを作ってきたんだな、と訳の分からないことを授業中も便座に座ってる時もケツを拭く時やレバーを引いた時も考えていました。

 

 

 

 

 

 

 

そして、デート当日、僕は魔王討伐に向かう勇者になった気持ちでエンプーサを迎えに行きます。

 

 

 

勇者「すみません、少し早かったですか?」

 

 

エンプーサ「ううん、全然大丈夫だよ!1時間前から出れる準備できてたし!」

 

 

勇者「じゃあ、早速水族館へ行きましょう!」

 

 

 

車の中ではエンプーサの大好きなポルノグラフィティを流し(事前に入れておいた)、エンプーサの好きな飲み物を既に買っておき(事前にエンプーサの友達から聞いた)、自分の中の鉄板ネタ話で(事前におもしろいと言われる友達からウケやすいネタを仕入れておいた)、彼女を全力で楽しませました。

 

 

 

 

 

 

 

 

無事に水族館に着いて、そこからは水族館特有のあの静かな感じのムードで、さほど興味のない魚たちを見て回りました。

 

 

 

その後はお昼ご飯を食べて、二人で買い物をして、気がつくと陽が落ちていました。

 

もう少しで夜です。

 

 

 

 

 

勇者「今から夜景が見える場所へ行けば、ちょうど良いですね!良かったら行きませんか?」

 

 

エンプーサ「いいよ!今から行こ!夜景楽しみー!そんなにすごい所連れてってくれるの?」

 

 

勇者「地元では結構有名な所みたいで、めっちゃ綺麗らしいですよ!僕も初めて行くので楽しみです!」

 

(実は既にリサーチも兼ねて、桃鉄キングボンビーに似ている友達を連れて事前に行きました。目の前には夜景、横を向けばキングボンビーでしたが、ここならハズレないわと判断して、二人で初めてを共有したいが為に、この時はめちゃめちゃ嘘をつきました)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、その夜景スポットに着きました。

目の前には広大な街の光があります。人工的な力が偶然とはいえ、こんな景色を作るって何か凄いことだなと僕は感じました。

エンプーサが感嘆の声を漏らしました。

 

 

 

エンプーサ「すごーい、見てー。あそこすごく綺麗!…あ!あの辺がうちのバイト先かな!」

 

 

自分も、さぞ初めて見ましたと言わんばかりに「すげー」とか「やばいっすねー」とか言って、感動している素振りをしていました。(正確に言うと、本当にすごい夜景だったので違う意味で改めて感動していました)

 

 

 

狙って夕食時間に来たおかげもあり、人は僕たち以外、誰もいませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

……しばらく会話をしていると、話題もなくなっていき、気がつくと僕とエンプーサには長い沈黙が訪れていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇者「………………………」

 

 

エンプーサ「……………………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇者(やべー、超会話ねーじゃん。マホトーンをかけられるって、こんな気持ちなのかな…。ん?でもあれって「じゅもんをふうじる」っていう表記だから、もしかしたら呪文は唱えられるけど、効果が出ないとか、そういうことなのかな……。そういえば、ダイの大冒険ロトの紋章ではマホトーンの表現方法が……)

 

 

 

こんなことを考えてはいましたが、傍から見ると、そこには長い沈黙状態で、ただただ静かに夜景を見つめるカップルがそこにはいました。

 

 

 

……少しの風の音と、遠くの道路を走る車の音しか聞こえませんでした。

 

 

 

何となく……、何となくですが彼女を見ました。

 

 

 

…彼女もその視線に気づき、僕の方を見つめ返しました。

 

 

 

二人で長い沈黙の中、3分程、見つめ合っていました……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女が、そっと瞳をとじて、そして、軽く顎を上げました。

 

 

 

その時、僕は思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ああ、いよいよか!いよいよ、その時か!

オーケー!オーケー!分かってますよ!

俺が変われる瞬間!その時ってことですよね!

よし!いくか!魔王倒して王様喜ばしますか!

 

 

 

 

 

そう強く思って、僕も瞳をとじて、彼女の方へ顔を近づけました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇者は おもいだす をつかった!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は、思い出してしまったのです!!

 

 

 

そう、自分が恥ずかしがり屋であることを……!!

 

 

 

 

 

すると、なぜかこの空気に急に恥ずかしくなり何を思ったのかもう一度夜景に視線を戻し、

「眠いんですか?」と言ってしまいました

 

 

 

 

 

エンプーサはぶち切れ勇者はただただ平謝りをする絵が、その夜景スポットにはありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰りの車は、何を言っても返事がない、ただの屍状態でした……。

 

 

 

エンプーサとはですか?

 

 

 

えぇ、もちろん、フラれましたよ。

 

 

 

それ以降、モテずに現在、勇者一人旅中です。

 

 

 

経験値は独り占めなはずなのに一向にレベルが上がりません。

 

 

 

誰か僕とパーティーを組みませんか?