大切にしすぎることは、時に罪となる
突然ですが、皆さんは漫画がお好きですか?
漫画は素晴らしいもので、色々なことを教えてくれます。
皆さん、知っていましたか?
例えば、遠方に行く際、一本の柱を行きたい方向に投げ飛ばしてそれに飛び移れば飛行機などいらないということを……
皆さん、知っていましたか?
人間の舌で他人のこめかみを貫けば、いとも容易く命というものを奪えるということを……
皆さん知っていましたか?
服屋に新しい服の新調をお願いした時、軽い脅しのようなものを入れれば先方が徹夜で製作してくれることを……
などなど、僕は幼い頃、両親から必要最低限の言葉しか教えられてこなかったので、世の中の常識というものは全て漫画から教わりました。
(ちなみに、上で挙げた例は立派な犯罪なので絶対やめましょう!!)
そんな大好きな漫画を当時は少ない小遣いで頑張ってやりくりをして単行本なるものを沢山集めていました。
僕には兄弟がおりまして、見事に全員、男です。
兄弟全て野郎なだけあり、とりあえず臭かったし、我が家の漫画収集率は割と高かった記憶があります。
気が付くと、僕は友達から「あいつの家へ遊びに行くと漫画が読めるし、あいつのオカンがおやつとジュースを出してくれる」というレッテルのようなものを貼られていました。
今でいう漫画喫茶みたいなものだったかもしれません。
なので、友達を我が家に招き入れる自分は店長のようなものでした。
ちなみに分かる人には分かると思うのですが、遊びに来た友達が漫画を読みだした時ほど、店長としてやることがなく「こいつら何しに来たんだろ」と思うことはありません。
当時(今もかもしれませんが)、ビキビキきてた店長は全国にいっぱいいたのではないのでしょうか。
(一度、「なぜ友達の家に来て漫画を読むのか」について熱く議論をしてみたいです。友達の存在意義について答えが出そうな気がします)
で、ここからが本題なのですが、我が家では兄弟間で漫画を読み合う時に、何故か「絶対読みづれーだろ」という謎の戒厳令がしかれていました。
戒厳令の名は「V字ルール」
内容は、兄弟が買った漫画を読むときは必ずV字になるように読むこと。
わかりますか?
おそらく一般的に皆さんが漫画を読むと、正面から見た時、漫画が柔らかい「m」のような形になると思います。
(よく分からない人は鏡の前に立って実際に試してみてください。画像?なんですか、それ?)
この柔らかい「m」の形が1番読みやすいのに、我が家では何故か完璧な「V」が求められる。
いや、待て待て、絶対、色々と読みづらいだろ。
奥のコマが見えねーよ!!
昔、ダイの大冒険という漫画がありまして、ポップという序盤では頼りにならなかったキャラクターが、終盤に差し掛かる頃「メドローア」という、めちゃめちゃかっこいい呪文を放つシーンがあります。
初めて敵に向かってその呪文を使う時、見開き1ページだった記憶があります。
こんな少年心をくすぐるワクワクするシーンも「V字ルール」で感動が半減します。
奥の絵が全く見えず、何をやっているかよく分かりませんでした。
気が付くと、敵が極大消滅してました。
しかも、この「V字ルール」は何故か持ち主には適用されません。
持ち主は好きなように読んでいいとのことでした。
いやいや!意味ねーだろ!それ!
おそらくキレイに読んで欲しいという意味を込めて、このルールが作られたのだと思います。
そしたら、自分にもV字ルール適用しないとダメな気がするのですが……
今年の年末に、兄弟がまた揃うと思うので、一度このルールがなぜ作られたのかを酒を酌み交わしながら語り合いたいと思います。